表の見方
④表紙 タイトル ②著者・編者
③その他…出版社、値段、巻数など
※値段は購入時のものです。
④紹介文
小説 主に文庫で発売されている小説です。
宮城谷昌光作品 中国古代を題材とした小説を数多く執筆している小説家宮城谷昌光さんの作品です。
解説書など 『史記』などの解説書から漫画まで色々です。

小説
春秋戦国志 安能務著 
講談社 定価648円(税別) 上中下巻
東周王朝の成立から秦の始皇帝による天下統一までの550年を筆者独特の視点・解釈で描いた話題作。
史記や十八史略の小説以外では数少ない春秋戦国時代を通して扱った小説です。
くせが強く、内容については賛否両論あるようですが、そこがまた面白い部分でもあるので、
ぜひ一度読んでみることをお薦めします。春秋戦国時代の入門書として読んでも面白いかと思います。
なお、当ホームページと名称がそっくりですがパクッたわけではありません。
後宮小説 酒見賢一著
新潮社 定価476円(税別)
素乾国の後宮で主人公の銀河が活躍するお話。
春秋戦国時代とは何の関連もない小説ですが、面白いので紹介します。
中国っぽい国が舞台になっていますが実際には架空の国で、歴史小説というよりは
ファンタジー小説に分類されるらしいです。アニメ化なんかもされてます。
なお、後宮が舞台ということでムフフなシーンを期待しがちですが、そういう小説ではないので注意。
小説十八史略 陳舜臣著 
講談社 定価718円(税別) 全6巻
歴史書十八史略の小説版。
神話時代から南宋までの時代を扱っていて、第1巻がちょうど春秋戦国時代です。
元が十八史略ということで春秋戦国時代に関する内容はそれほど多くないですが、
有名なエピソードはしっかり押さえてあり、また、くせがなく読みやすい小説です。
他の時代のことも知りたいという人は全巻揃えましょう。
封神演義 安能務訳
講談社 定価680円(税別) 上中下巻
周商易姓革命を舞台に仙人・妖怪・人間が活躍するSF歴史小説。
主人公は姜子牙(太公望)。仙人界・人間界を巻き込んで展開されるスケールの大きい作品。
漫画化されて人気がでた『封神演義』の小説版です。
仙人たちのご都合主義全開!という感じがしてあまり好きな作品ではないのですが、
結局全巻購入していることを考えればやはり面白いのかもしれません。
墨攻 酒見賢一著
新潮社 定価360円(税込み)
戦国時代を背景にして描かれた創作小説です。主人公は墨家の革離。
実在の人物はほとんど登場しませんが、戦国時代の小国の様子、
墨家の活動の内容などがよくわかる作品です。
読み終わってすっきりするという内容ではありませんが、非常に面白い小説です。
また、漫画化もされており、そちらもおすすめです。
范蠡 立石優著
PHP研究所 定価648円(税別)
越の将軍范蠡を主人公として、呉越の戦いを描いた小説。
伍子胥や孫武など呉の視点で描かれた作品はいくつかありますが、
越の側から描いた作品はあまりないのではないでしょうか。
そういう意味でも面白い作品です。
ものがたり史記 陳舜臣著
朝日新聞社 定価400円(税込み)
まだ史記のことをよく知らない時に買った本です。
値段も手頃で、はじめて読む人には丁度いいかもしれません。
ただし、内容が短いので史記をよく知っている人が読むには少し物足りない感じもします。
宮城谷昌光作品
侠骨記
講談社 定価440円(税込み) 短編集
「侠骨記」「布衣の人」「甘棠の人」「買われた宰相」の4つの作品を収録した短編集です。
「侠骨記」と「買われた宰相」が春秋戦国時代の小説です。
「侠骨記」は魯の曹カイが主人公、「買われた宰相」は秦の百里ケイを主人公にした作品です。
天空の舟
文芸春秋 定価552円(税別) 上下巻
伝説の名宰相伊尹を描いた作品。
夏と商(殷)の政権交代を描いています。
いまだに伝説の域を出ない、夏王朝の時代を非常に詳細に描いた作品です。
悪女として知られる妹嬉のイメージもすこし変わるかもしれません。
王家の風日 
文藝春秋 定価602円(税別)
主人公は商(殷)の王子箕子。
商周の政権交代を商王朝の視点で描いた作品。
『太公望』とだいたい同じ時期を描いていますが、異なる視点で描かれているので、
両方読んでみるとおもしろいと思います。
太公望
文藝春秋 定価676円(税別) 上中下巻
表題の通り、太公望を主人公にした小説。
羌族の青年望が成長し、商(殷)王朝を打倒するという物語。
主人公太公望は、天才軍師というよりは革命家という感じで描かれています。
従来の太公望=老人というイメージを払拭し、新しい太公望像を提示した作品。
春秋の名君
講談社 定価419円(税別)
タイトルの通り、斉の桓公・晋の文公など春秋の五覇をはじめとする
春秋時代の名君を紹介する本です。
後半はエッセイになっています。
沈黙の王
文芸春秋 定価476円(税別) 短編集
「沈黙の王」、「地中の火」、「妖異記」、「豊穣の門」、「鳳凰の冠」の5つが収められた短編集です。
「妖異記」、「豊穣の門」は西周末期の鄭桓公・武公の親子を主人公に
西周の滅亡と東遷、鄭の東遷の様子を描いています。
「鳳凰の冠」は春秋中期の晋の賢人として知られる叔向を主人公にした作品です。
重耳
講談社 定価580円(税別) 上中下巻
放浪の公子として知られる晋の重耳を主人公にした作品。
重耳の祖父武公から重耳までの三代にわたる晋国内の様子が描かれていて、
内乱から晋の統一、驪姫の乱、晋の文公が覇者になるまでの様子が非常によくわかる作品です。
介子推
講談社 定価714円(税別)
『重耳』とほぼ同時期を描いた作品。主人公は重耳の臣、介子推。
『重耳』が君主や卿・大夫の視点で描かれていたのに対し、
介子推はその下の士の身分の視点で描かれています。
悲劇の人としてのイメージが強い介子推を非常に爽やかに描いた宮城谷作品らしい作品です。
沙中の回廊
朝日新聞社 定価667円(税別)
晋の名将士会を主人公にした小説。
時代は『重耳』のすぐ後で、士会の活躍を通して文公後の晋の様子や
隣国秦の様子などがよくわかります。また、『晏子』、『華栄の丘』、『夏姫春秋』などが
ちょうどこの作品の後の時代にあたるので、続けて読んでみても面白いかもしれません。
華栄の丘
文藝春秋 定価495円(税別)
主人公は晋と楚の和睦を実現させた宋の華元。
他の小説の主人公と比べると少々地味な華元ですが、宋国内の様子が詳しく描かれており
面白い内容になっています。時代は『夏姫春秋』と大体同時期で、こちらは宋側の視点で描かれています。
同じ事件や出来事を扱っている場面もあるので、両方読んでみるとこの時代のことがよくわかると思います。
夏姫春秋
講談社 定価524円(税別) 上下巻
鄭の公女夏姫を中心に、南方の大国楚や
晋と楚に挟まれる鄭や陳などの小国の様子が描かれている作品。
通常は悪女・妖女として描かれる夏姫ですが、この作品では非常に善良な女性として描かれています。
詳しく夏姫を知ったのがこの作品であったので、私もあまり悪女・妖女というイメージはもっていません。
晏子 
新潮社 定価590円(税別) 全4巻
管仲と並び称される斉の名宰相晏嬰とその父晏弱が主人公です。
春秋中期の斉国を描いていて、最初の覇者桓公が亡くなった後の斉国の様子がよくわかります。
おそらく私がはじめて読んだ宮城谷作品。
まだまだ不明な点も多い春秋戦国時代を詳しく面白く描いているということで、
最初に読んだ時はとても驚いた記憶があります。
玉人
新潮社 定価438円(税別) 短編集
「雨」「指」「風と白猿」「桃中図」「歳月」「玉人」の6つの作品を収録した短編集です。
「雨」は春秋時代の魯、「指」は春秋時代の衛を舞台にしています。
「風と白猿」は戦国時代の斉を舞台としていますが、ほぼ架空の話です。
宮城谷作品にはめずらしくミステリー調の作品が多くなっています。
春秋名臣列伝
文藝春秋 定価562円(税別)
春秋時代の各国の名臣たちを紹介する内容です。
衛の石碏、鄭の祭足から呉の伍子胥、孫武まで全部で20人の名臣が紹介されています。
氏の小説の主人公から左伝等を読まなければ登場しない人物まで、
春秋時代の主役や名脇役たちをこの一冊で知ることができます。
戦国名臣列伝
文藝春秋 定価562円(税別)
戦国時代の各国の名臣たちを紹介する内容です。
越の范蠡、魏の呉起から秦の白起、王翦まで全部で16人の名臣が紹介されています。
人数が少ないためか春秋名臣列伝よりも気持ちメジャーな?人物が多い気がします。
戦国時代の主役や名脇役たちをこの一冊で知ることができます。
孟嘗君
講談社 定価571円(税込) 全五巻
戦国の四君子の一人、孟嘗君を描いた作品。
孟嘗君の成長を白圭・公孫鞅・孫臏らの活躍と絡めて描いています。
白圭を前半の主人公として進めていますが、記述の少ない白圭を使って
ここまで面白い小説を書ける宮城谷氏にはもう驚かされるばかりです。
ただ、成長後の孟嘗君の活躍がやや少ない感じなのが残念です。
楽毅
新潮社 定価590円(税別) 全5巻
主人公は戦国時代屈指の名将楽毅。
前半は大国趙との祖国中山の存亡を賭けた戦い、後半は大国斉との戦いを描いています。
その他にも、「胡服騎射」で有名な趙の武霊王、「まず隗より始めよ」の燕昭王・郭隗などが登場します。
青雲はるかに
集英社 定価686円(税別) 上下巻
遊説の士范雎が数々の苦難を乗り越え、秦の宰相になるという物語。
時代は戦国時代。『孟嘗君』『楽毅』の少し後の時代を描いています。
宮城谷作品の長編(中編?)としては珍しく他の有名人との絡みが少ない作品です。
奇貨居くべし
中央公論新社 定価648円(税別) 全5巻
主人公は韓の商人の子、呂不韋。時代は戦国時代で、『楽毅』の少し後の時期です。
呂不韋が藺相如、荀子、春申君などと出会い成長し、
ついには宰相の位にまで登りつめる姿を描いた作品です。
しかし、私の中では呂不韋といばやり手の商人というイメージが強く、
呂不韋が少し“いい人”すぎるような印象を受けます。
長城のかげ
文芸春秋 定価457円(税別) 短編集
「逃げる」、「長城のかげ」、「石径の果て」、「風の消長」、「満点の星」の5つが収められた短編集です。
どれも春秋戦国時代のすぐ後の秦、楚漢の時代を描いた作品です。
漢の高祖劉邦は全ての話に登場しますが、それぞれの視点で見る劉邦像を比べてみると面白いと思います。
史記の風景
新潮社 定価438円(税別)
史記に関する内容のエッセー集です。
ひとつひとつが読みやすく、タイトルの通り史記の世界がよくわかる一冊です。
解説書など
逸周書・竹書紀年・越絶書 全
台湾中華書局 2380円(税別)
逸周書・竹書紀年・越絶書という3つの古典が一冊に収められたお得な本。
全文が載っていますが解説などは一切なく、非常にシンプルなつくりになっています。
台湾の出版社から発売されているので、当然中身は中国語で書かれています。
色々な意味でとても勉強になりますw。
三国志 横山光輝著
潮出版社 380円(税込み) 全60巻
言わずと知れた横山光輝三国志です。
私が中国史に興味を持つきっかけになった漫画。
全60巻という長編ですが、非常に面白くどんどん読めてしまいます。
人によっては登場人物の見分けがつかないという現象も起こるようですが、
そんなことは気にせずどんどん読みましょう。
まだ読んでない人は必読です!
蒼天航路 原作李學仁 漫画王欣太
講談社 定価740円(税別) 全18巻
三国志(演義)の主人公といえば劉備玄徳ですが、
その敵役の曹操を主人公にした作品です。
絵も内容も非常に良く、三国志好きな方にもそうでない方にもお薦めです。
※ここで紹介しているのは文庫版です。
中国文明の歴史2 春秋戦国 貝塚茂樹責任編集
中央公論新社 定価1143円(税別)
古代から近現代までの中国の歴史を扱ったシリーズの第2巻です。
ちょうど東周(春秋戦国)時代が一冊にまとめられています。
文化、思想や政治制度など様々な観点から書かれており、春秋戦国時代の流れや変化を
よく知ることができます。写真や図もあり、大変読みやすい一冊です。
戦国策 吉田豊著
PHP研究所 500円(税込み) 中国古典百言百話10
戦国策の各エピソードを1ページごとに1つずつ紹介しています。
同シリーズの史記よりも元の形に近いですね。
戦国策についての本はそう多くないので、
手軽に読める入門書として読んでみてもいいかもしれません。
十八史略 村山孚著
PHP研究所 定価486円(税別) 中国古典百言百話8
同シリーズの他の作品と同様の形式で『十八史略』を紹介しています。
三皇五帝から南宋までと時代が長いので
元のボリュームからするとやや少ないですが、
有名なエピソードを選んで紹介しています。
史記 西野広祥著
PHP研究所 500円(税込み) 中国古典百言百話11
史記を扱った本ですが、本紀、列伝、表などの本来の形式ではなく、
1ページごとにエピソードを1つ紹介しています。
内容も読みやすく、手軽に読めて良いです。
史記世家 小川環樹・今鷹真・福島吉彦訳
岩波書店 定価760円(税別) 全三巻
史記の「世家」を紹介する本です。
訳は比較的読みやすいですが、註は少し読みにくい感じがします。
岩波文庫ということもあり、史記世家の本としては最もポピュラーな一冊です。
史記列伝 小川環樹・今鷹真・福島吉彦訳
岩波書店 定価570円(税別) 全五巻
史記の「列伝」を紹介する本です。
上記の史記世家と同じシリーズです。
同じ形式なので、やはり註が読みにくい感じがしますが、
文庫ということで手軽で読みやすいです。
史記列伝 貝塚茂樹・川勝義雄訳
中央公論社 定価1300円(税別) Ⅰ・Ⅱ巻
史記の列伝を紹介する本です。
列伝の内容を2冊にまとめているので、省略されている部分もあります。
また、新書サイズということで値段も少々高い感じがしますが、
訳は非常に読みやすいです。
史記の事典 青木五郎・中村嘉弘編著
大修館書店 定価7200円(税別)
『諸子百家の事典』を出した大修館書店から出た事典シリーズ第2弾?
名場面や故事・名言、人物辞典や年表があり、よくまとまっています。
やはり値段は少々高いですが、内容はしっかりしているので史記が好きな方なら
買っても損はないかと思います。
諸子百家の事典 江連隆著
大修館書店 定価5400円(税別)
諸子百家の人物、歴史、名言などを紹介する本です。
非常に読みやすく作られていて、諸子百家についてよく知らない人でも
十分読める内容になっています。
値段は少々高いですが、おすすめの一冊です。
春秋左氏伝 鎌田正著
明治書院 定価6000円(税別) 新釈漢文体系30 全4巻
三国志の関羽も夢中で読みふける一冊。
四冊に分けて出版しているだけに内容も細かく、原文、読み下し文、訳があり、
詳しい注釈がつけられています。
ただし、値段が非常に高いことに加え、四冊揃えなくてはならないのですごく大変。
どうしても欲しい人は古本屋さんで買いましょう。古い版は若干値段が安くなっています。
よみがえる文字と呪術の帝国 平勢隆郎著
中央公論新社 定価780円(税別) ※平勢氏の「勢」の字は本来は別の字です。
殷・周王朝はまだまだ不明な部分が多く、またそれを記した史記などの歴史書にも様々な矛盾が
含まれていますが、それらの謎や矛盾を様々な手法で検証・解明していく本です。
天文学的・数学的な検証も行っており、少々難しい部分もありますが、
それまでの定説を覆す新しい説が満載で、非常に面白い内容となっています。
中国古代の予言書 平勢隆郎著
講談社 定価680円(税別)
『春秋』や『左伝』、『史記』などの文に散りばめられた言葉や暦などを検証し、それぞれの書物に隠された
意味や目的を解明していく本です。『よみがえる文字と呪術の帝国』と同様に新説が満載で、
非常に面白い内容となっています。
『春秋』と『左伝』 平勢隆郎著
中央公論新社 定価3000円(税別)
『よみがえる文字と呪術の帝国』や『中国古代の予言書』で展開している説を
『春秋』、『左伝』、『公羊伝』に限定してより細かく詳しく紹介している本です。
下で紹介している平勢氏の本と内容が重なる部分も多いので、特に興味がある方以外は
図書館などで読んでもいいかもしれません。
中国姓氏考 -そのルーツをさぐる- 王泉根著・林雅子訳
第一書房 定価2575円(税別)
タイトルの通り、中国の姓氏について書かれた本です。
姓氏の変遷期であったこともあり、春秋戦国時代についての記述も多いです。
姓と氏の違い、単姓と複姓など姓氏について詳しく書かれていますので、
興味のある人は一度読んでみてください。
春秋戦国新聞 春秋戦国新聞編纂委員会編
アスペクト 定価1600円(税別)
世の中には面白いことを考える人がいたもので、
春秋戦国時代の出来事を新聞形式で紹介する本です。
紙面左上には四コマ漫画もあり、まさに新聞という感じです。
内容もしっかりしていて、おもしろいです。
争覇 春秋戦国 五覇七雄、興亡の五百年 著者 来村多加史、浅野裕一、ほか
学習研究社 定価1500円(税別)
歴史群像シリーズの春秋戦国時代特集本です。
春秋戦国時代の戦争や諸子百家などを図やイラストを用いて詳しく解説しています。
フローチャートなどもあり、時代の流れを知るのにも便利です。
徹底分析の記事やQ&Aでは『史記』や『左伝』などを読むだけではわからない部分も
広く解説しており、春秋戦国時代ファン必携の一冊といえるでしょう。
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